障害年金の請求に関する研修を受けてきました。
蘇る記憶
札幌中支部の勉強会「寺子屋さつなか」で、障害年金の研修を受けてきました。講師は、藤井法務事務所の藤井啓道先生です。
藤井先生は、開業から20年、障害年金業務17年のキャリアをお持ちの超ベテラン社会保険労務士です。
今回は、主に裁定請求と審査請求、再審査請求について講義をしていただきました。
障害年金三要件(初診日要件、保険料納付要件、障害認定日要件)をていねいにおさらいいただき、社労士試験後すっかり忘却の彼方にいた記憶を呼び戻すことができました。
プロの仕事
実務の講義では、初診日要件に抵触し不支給となった案件の審査請求に関するお話しが特に印象に残っています。
具体的には、昭和52年(38年前)の交通事故で受傷し、平成27年に裁定請求したものの、「発病日に厚生年金の被保険者であったことが確認できない」として裁定請求却下(門前払い)となった案件について、藤井先生が審査請求を行った際のお話しです。
受傷日(初診日)が古く、初診の病院が既に廃院となっていて「受診状況等証明書」がとれなかったことが門前払いの要因です。
「受信状況等証明書」は、かかった病院が複数ある場合は、必須の書類です。
先生は請求人と協力し、当日の天候や事故状況の記憶をたどり、気象庁や当時の新聞をつぶさに調べました。事故に関する記事は無かったものの、当日の当番病院を知ることができ、さらに当番医が2人いたことも知ることができました。そのうちの一人の医師を見つけることができ、話を聞くと事故のことをはっきり覚えていてくれたそうです。その医師に第三者申立書を書いてもらうことができ、審査請求では(不支給の)処分取り消しに至ったそうです。
まさにプロの仕事だなと思いました。
研修に感謝
藤井先生は、ご自身が闘病生活を送っていることから、クライアントと常に関わることができないため、社労士業務の中で短期に終結する業務を探し、ご自身の経験を活かすことができる障害年金業務に行き着いたそうです。いろいろと困難なことがあるなか、それらを克服し、適職に傾倒されている姿にたいへん刺激を受けました。
「自分はどういう社労士になるのか」を改めて考える機会になりました。
たいへん実のある研修でした。
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