昨年10月の育児介護休業法の改正で、「産後パパ育休(出生時育児休業)」が創設されたのはご存知でしょうか?
男性の育児休業取得を推進するために、取得ニーズの高い「子の出生直後の時期」について、これまでの育児休業よりも柔軟で取得しやすい枠組みの休業として設けられました。
子の出生後8週間以内に4週間まで休業を取得できます。
ところで「出生後8週間以内」と聞いて、ピンとくる男性は立派です。
私は残念ながら、育児の期間の中で、なぜ当初の「出生後8週間以内」としたのか、正しく理解できていませんでした。
私事ですが、今年2月初旬に長女が里帰り出産をしました。1週間ほどで退院し、家に戻ってきましたが、それからの数週間、新米ママさんのみならず、新米の婆さん爺さんもテンテコ舞いでした。救われたのは、新米パパさんが退院の日に合わせ1週間、そして産後3週目に4日間の休暇をとって東京から駆け付けてくれたことです。
彼が来てくれたことで余裕が生まれ、徐々に新生児に合わせた生活リズムが整い、無事に乳児期(産後5週目)を迎えることができました。新米パパと、そして勤務する職場の理解に心から感謝します。聞けば、職場の同僚間では育児の情報交換も行われているそうです。とっても素晴らしいことですね。
私が過ごした昭和のサラリーマン時代では、子供の出生を理由に長期に会社を休むことはとても考えられない、仕事最優先の時代でした。今から思えば、新生児と過ごす貴重な時間を逃してしまい、とても残念です。
おおよそ3時間ごとにミルクを求め大泣きする子供、その準備や片づけをしている間に今度はオムツ汚れのサイン。洗濯機もフル回転です。それに沐浴のスケジュールも加わり、自分たちのことは全て後回しです。「孫」という大泉逸郎さんの歌がありますが、この時期、この歌をのんきに口ずさむ余裕はありません。しかし、とっても充実した時間でもありました。
新生児から乳児にかけて育つスピードはとても早いです。その変化は日々確認できます。
いろいろな発見や驚きがあり、とっても貴重な時間です。また、スキンシップすることで分泌されるという「オキシトシン」というホルモンの作用か、子供を抱っこしている間はとても癒されます。この時期をファミリーとして一緒に過ごさないことは、とってももったいないことだと思います。
一方、この時期をワンオペで育児負担をしている女性には本当に頭下がります。産後の万全ではない体調で、新生児の世話をすることの凄絶なその状況は、想像すらできません。自分がその状況にあったら肉体も精神も崩壊しているのではないか、恐怖すら感じます。
政府の骨太の方針では、男性育児休業取得率の政府目標を2025年に50%、2030年には85%に引き上げるとしています。政府の後押しや企業からの勧めを待つまでもなく、世の中の若いパパ達には自分たちの強い意思で、積極的に育児に参加してもらいたいです。
また、社労士として、もっともっと子育てに関心をもち、困っている家庭の状況を「見て見ぬふりをしない」ことにも心がけたいと、孫の誕生を機に、改めて思いました。 2023年3月4日
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